ネパール(エベレストへの道)編


 世界最高峰のエベレストを目指しヒマラヤでトレッキングです。限られた日数でエベレストにどこまで近づくことができるのかチャレンジです。

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 「行けるところまで行ってみる作戦」今日も続行です。
 先を急ぐため、荷物を厳選しさらに軽量化を図ります。その他の物はブッダ ロッジに置いていきます。
 そして、負傷した友人とも、ここでお別れです。
 時刻は朝の5時半、私たちは、三人で一足先に出発します。目指すはタンボチェです。
 一方、負傷した友人は、一人でナムチェバザールを目指します。
 再会は、明後日にルクラです。

 ジョルサレの村を過ぎるとすぐに吊り橋があります、これを渡るとナムチェまでずっと登り坂が続きます。
 今日の目標はタンボチェですが、余裕があればもう少し先へということで、ペースを上げて登ります。
 しかし、私はペースが上がりません。実は、朝から体調が悪く、寒気と頭痛に襲われているのです。(高山病か)
 それでも、頑張って登りますが、どうしても二人のペースについて行くことができません。
 登りはじめてから、30分程度しか経っていませんが、あまりにも体調が悪く、ここで脱落を決意します。
 二人にタンボチェを託し、悔しさを胸に暗闇の中を一人宿に引き返します。

 ふらふらの状態で宿に着き、負傷した友人と7時半に再出発することを決めベッドに横たわります。そして、爆睡です。
 時間になりましたが、眠気がとれず動き出すことができません。どうせすぐに追いつくだろうと、私だけ、さらに15分遅れで出発です。

エベレストはまだ遠い

 宿を出て最初の橋を渡る友人が遠くに見えます。簡単に追いつくことができると思っていたのに、差が縮まりません。
 体が思うように動きませんが、それでも、一歩、また一歩と進みます。
 いつしか、追いつくことを諦め、こんなことを考えるようになります。
 ・自分は、4000mを越えるどころか、結局、エベレストを見ることさえもできないのではないか。
 ・先発隊は、もうナムチェを通過したのだろうか。そして、エベレストとご対面したのだろうか。
 ・自分は、今、引き返さないと、途中のどこかで倒れてしまうのではないか。
 ・進むことが勇気ではなく、全てを諦めて戻ることこそが本当の勇気ではないか。

 そして、自分に「戻ることこそが本当の勇気だ。」と言い聞かせていると。
 一つの疑問が湧いてきます。そもそも、自分は、どうしてこんな状態になってしまったのかと。

 これまで、原因は高山病だろうと思っていたのですが、他にも原因があるのではと考えはじめます。
 なぜなら、ジョルサレの標高は約2800mであり、これまで、標高3000mの山でビールを飲んでも、こんな状態には一度もなったことがないからです。
 そういえば、頭痛、寒気と眠気のほかに、腰の痛みがあります。
 となると、もう一つの可能性は、風邪です。昨日の極寒シャワーが原因か。

 すると木々に覆われ日陰続きの道の中に、一点の陽だまりを発見します。
 木々の隙間から日が降り注ぎ、暖かそうな場所です。しかも、腰掛けるのに丁度よさそうな岩もあります。
 このホットスポットで凍えた体を温めながら、とりあえず風邪薬を飲みます。
 そして、今後の行動を考えますが、答えがでないまま、いつしか深い眠りに包まれます。

 どれくらい寝たのでしょうか。目が覚めると、先程よりかなり体調がよいです。
 ここで、エベレストマップを確認です。するとその中に"First View Point of Mt.Everest"という小さな文字を発見です。
 自分の詳細な位置はわかりませんが、そんなに遠くはなさそうです。この先に"Larja Bridge"という橋がありその先です。
 当初の目標からだいぶ下降修正になりますが、ここを私の新たなゴールに決めます。

 ようやく橋が見えてきました。
 これまでの吊り橋より、長さ・高さ共に最大に見えます。

Larja Bridge

 これが"Larja Bridge"です。
 ロバ隊も渡っています。

ロバも渡るラージャ橋

 谷底を見下ろしますが、やはり迫力の高低差です。
 下流側にもう1本吊り橋が架かっていますが、用途は不明です。

高いラージャ ブリッジ 下に見えるもう一つの吊り橋

 ここで振り返り、写真を撮影です。
 このスリル満点のラージャ ブリッジのおかげで、気分も少し上がってきました。

エベレスト街道最強の吊り橋

 さぁー、Mt.Everest探しです。
 地図によると、この橋の先にビューポイントがあることになっています。
 ということで、私は、橋を渡ればエベレストが見えると勝手に思い込んでいます。

2段で架かる吊り橋

 橋の袂から川の上流を眺めると、頂上に雪を被った立派な山が顔をだしています。
 これで私のヒマラヤトレッキングもフィニッシュか。

ラージャ橋の向こうに広がる景色

 エベレストと思い込み、写真を撮りまくります。
 すると、下ってきたトレッカーが私の横で休憩しはじめたので、念のため確認してみます。
 ガーン!あの山は、私のが求めていたエベレストではないことが判明です。

山の名は

 ただし、エベレストは、もう少しつづら折りになっている道を登ると、見えるとの情報を入手します。
 そのビューポイントは、ちょっとした平場でトイレがあるとのことです。

タブチェ

 そんなことで、私のヒマラヤトレッキングはもう少し継続です。

下山するゾッキョ隊

 下ってくるゾッキョ隊をかわして、山道を登ります。

ゾッキョの突進 がんばれゾッキョ

 でも、やっぱりパワーが足りません。
 ここで、非常食としてインドの空港で買ったエナジーバーの登場です。(買っててよかった)

インドで買ったエナジーバー

 こんな休憩を繰り返しながら登ると、ついにその場所が現れます。
 ちょっとした平場で、トイレがあります。また、サガルマータ国立公園の看板も設置してあります。

TOPDANDA ELEVATION 3140m

 憧れの"Mt.EVEREST"の登場か。
 近くにいた地元ガイドに確認です。やりました。

その隙間から見えるのは、エベレスト

 看板の後方に見える山がエベレストです。
 天気は快晴、ばっちり見えます。

Mt.EVEREST

 これで最低限の目標は達成できました。あとは下山するだけです。
 が、ここで私が恐れていたことが起こります。



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